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南極クルーズ船でハンタウイルス発生、米国人18名が帰国

南極クルーズ船でハンタウイルス感染、米国人18名が緊急帰国

南極への観光クルーズ船で致死性の高いハンタウイルス感染が発生し、米国人乗客18名が緊急帰国しました。米国務省は5月10日、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島から専用機で18名を空輸。このうち2名が「念のため」生物封じ込め施設で治療を受けています。

保健当局によると、1名はハンタウイルス陽性が確認され、もう1名は軽い症状を発症したとのこと。帰国した米国人のうち16名はネブラスカ州オマハの特殊病原体治療センターで、残る2名はジョージア州アトランタの同様の施設で経過観察中です。

オランダ船籍のMV Hondius号は4月1日にアルゼンチン南部から出港しており、船内の密閉空間で稀少なアンデス型ハンタウイルスが広がった可能性が調査されています。専門家は「COVID-19のようなパンデミックのリスクは低い」と強調していますが、ハンタウイルスの重症度の高さが改めて浮き彫りになりました。

2名が生物封じ込め施設で治療中、1名は陽性確認

帰国した18名の米国人乗客のうち、2名が「念のため」生物封じ込め施設で治療を受けています。米国保健福祉省のX(旧Twitter)アカウントによると、1名はハンタウイルスの陽性が確認され、もう1名は軽度の症状を示しているとのこと。

16名はネブラスカ州オマハの地域特殊病原体治療センター(RESPTC)で、残る2名はジョージア州アトランタの同様の施設で治療を受けています。いずれも専門的な感染症対応が可能な施設で、厳重な管理下に置かれているそうです。

現時点では、この2名以外の乗客には重篤な症状は報告されていません。ただし国際保健当局は、船内で接触した可能性のある数十名の乗客を引き続き監視しています。ハンタウイルスの潜伏期間は通常1〜5週間と長いため、今後も慎重な経過観察が続けられる見込みです。

MV Hondius号、4月1日にアルゼンチン出港後に感染拡大か

オランダ船籍のMV Hondius号は、4月1日にアルゼンチン南部から出港した南極探検クルーズ船でした。国際保健当局は現在も、この船内でどのようにハンタウイルスが広がったのかを調査中です。

調査員たちは、希少なアンデス型ハンタウイルスが船内の密閉された空間で乗客間に広がった可能性があると考えています。クルーズ船という環境は、換気が限られた共有スペースが多く、感染症が拡大しやすい条件が揃っていたと指摘されています。

ハンタウイルスは通常、感染したげっ歯類の排泄物を吸い込むことで人に感染しますが、アンデス型は人から人への感染が確認されている珍しいタイプです。船内でどのようなルートで感染が広がったのか、詳しい経路の解明が待たれます。

現在も数十名の乗客が経過観察の対象となっており、国際保健当局による調査が続けられています。

専門家「パンデミックリスクは低い」、ハンタウイルスの特性とは

今回の南極クルーズ船での集団感染は、ハンタウイルスの恐ろしさを改めて浮き彫りにしました。しかし、専門家たちは「COVID-19のようなパンデミックになるリスクは低い」と強調しています。

なぜなら、ハンタウイルスは基本的に人から人への感染が極めて限定的だからです。通常は齧歯類(ネズミなど)の排泄物を介して感染するウイルスで、人同士での感染は密閉空間で長時間接触した場合など、かなり特殊な条件下でしか起こりません。今回のMV Hondius号のような船内という閉鎖環境が、稀な人から人への感染を可能にしたと考えられています。

また、ハンタウイルスは空気感染するインフルエンザやコロナウイルスとは異なり、飛沫や体液を介した感染が主です。つまり、感染者と同じ空間にいるだけで感染するほどの感染力はないのです。

とはいえ、致死率は株によって異なりますが、今回検出されたアンデスウイルス株は比較的重症化しやすいことで知られています。だからこそ、米国当局も「念のため」生物封じ込め施設での治療という慎重な対応をとっているのでしょう。

パンデミックの心配は低いものの、今後の国際的な監視体制の強化が求められています。

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